インタビュー01

——6thアルバム「おっぱじめ!」、本当に素晴らしい作品だと思います。5周年の“プロローグ”を経て、新たな“第一章”の始まりを告げるアルバムですが、制作はいつごろからスタートしたんですか?

今回はすごくタイトだったんですよ。ちゃんとレコーディングを始めたのは12月くらいだったので。それってギリギリじゃないですか(笑)。

——確かに(笑)。リリースが2月18日ですからね。

年末年始もずっと休みなくやってた感じですね。一気に集中して制作してたせいか、また続いてるような感覚もあって…。でも、楽しかったですよ。

——5周年イヤーを終えて、このアルバムが新たなスタートになるという意識はありました?

うん、ありましたね。去年(2014年)、オリジナル・アルバムを出してないじゃないですか。シングルコレクション(シングルベストアルバム「シングルコレクション19−24」)をリリースした段階で「次のオリジナルアルバムは2015年になる」とわかっていたし、「5周年が終わったら仕切り直し」というのは考えてたかもしれないですね。

——「おっぱじめ!」の楽曲は、これまで以上に幅広いし、さらに自由に表現している印象もあって。それも“新しいスタート”という意識から生まれたものなんでしょうか?

そうかもしれないですね。そこまで「変えよう」と意識していたわけではないけど、結果的に変わっているので。仕切り直したことで違うテイストの曲が書けたのか、いまのテンションが現れたのかはわからないけど…。ただ、「5周年を過ぎたら仕切り直していこう」と思ってる時点でポジティブなパワーを感じますよね。「5周年を過ぎたら、ひと休み」ではなくて、ここから新たな気持ちで行きましょう!っていう。そのテンションは出てる気がします。

——前向きな気持ちになれたのはどうしてだと思いますか?

やっぱり、幸せだったんじゃないですか? …“だった”じゃなくて、いまも幸せですけど(笑)。結婚が決まってたりとか、あと、武道館のライブ(‘14年10月10日に行われた5th Anniversary 阿部真央 らいぶ2014@日本武道館」)が本当に素敵な時間だったんですよね。ものすごく緊張して「やばいなー」って思ってたんですけど、武道館という場所が持つパワーであったり、何よりもお客さんの「阿部真央の5周年をお祝いしよう」という気持ちがすごく伝わってきて。

——本当に温かい空間でしたよね。観客のみなさんがしっかり心を込めて声援を送っていて。

優しいよね。(ファンは)鏡って言うじゃん、アーティストの(笑)。まあ、それは冗談としして、すごく満たされたんですよ、あの日は。こう言うとキレイごとっぽく聞こえるかもしれないけど、「この人たちのためにいい作品を届けたい。早くオリジナル作品を出したい」と思ったし。あのときは既にアルバムの制作が始まっていたので、武道館を経験できたのは本当に大きいですね。

——武道館の後も新曲を書いてたんですか?

書きましたよ~。アルバムを構築し始めたのは10月10日の後なんだけど、新しい曲もけっこう書きました。そこはもう一生懸命やってましたね。しっかり集中できてたし、いいテンションだったと思います。レコーディングが切れなかったのも良かったんじゃないかな。あとね、レコーディングの前に曲順を決めたんですよ。その時点で「これでいく!」っていう感じになれたというか。無邪気に作品と向き合うことができたし、いまの阿部真央のテンションをフラットに感じてもらえると思いますね。

——「おっぱじめ!」というタイトルについては?

タイトルは決めたのは、曲が出揃って、レコーディングを始める前くらいですね。ちょうどアレンジャーさんからデモ音源が届き始めた頃かな? ひとりで決めて、それをスタッフのみなさんにメールして。みんなも「いいね」って言ってくれたので、すんなり決まりました。

——はっちゃけたタイトルですよね。

え、そうですか(笑)。さっきも言ったように「5周年を経て、新たに始まる」というアルバムだと思ってたから、「はじめ」とか「始まる」というイメージの言葉を探してたんですね。「第一章」「チャプター1」とか、伊吹、新芽みたいなことも考えていたんだけど、あるとき、いきなり「おっぱじめ」という言葉を思い付いて。

——阿部真央さんらしいと思います。これがどういうアルバムなのかもハッキリわかるし。

うん、そうですね。

——モノクロのシックなジャケットと「おっぱじめ!」というタイトルのギャップもいいな、と。

それはもう、カメラマンさんとデザイナーさんの力ですね(笑)。

——プライベートの充実が表情に出るタイプですからね。

そうかも。私から目を離さないで! なんて(笑)。

文・森朋之